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”マグネチック” スピーカ

マグネチックスピーカの観察

国民型ラジオや放送局型ラジオには、通常ここで見ていただくような”マグネットスピーカ”が使用されています。

初期の”ラウドスピーカ”は、音を出す元となる振動片が丸い鉄板で出来ていましたが、ご覧頂くような構造のスピーカが発明されたので、格段に音の良い放送が聞けるようになったのです。

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放送局型ラジオに収納されているマグネチックスピーカ

国民型ラジオや放送局型ラジオには、通常ここで見ていただくような

”マグネチックスピーカ”が使用されています。

薄い短冊形の鉄片を馬蹄形磁石ではさみ、コイルに音声電流を流すと鉄片が磁石に吸着される力が変化しますので、その振動をコーン紙に伝え、音を出します。

 振動紙は固く固く圧縮した紙を使っているので、独特の固い音が出ますが、それまでの丸い鉄板が振動していた音に比べれば格段に軟らかい良い音です。
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昭和3年に認定を受けた高級なマグチックスピーカ

昭和初期の製品は、ご覧頂くように骨組みには整形した鉄板を使い、機械的なバランスを調整する機構なども装備されていますが、中国との戦争が始まると次第に資源が不足してきて、民間の機器には鉄などの貴重な原料の供給が制限されるようになりました。

上の写真のように、木箱に収納されたスピーカは、骨組みが”紙”と”硫黄”を混合して圧縮成型した骨組みから出来ています。
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中心の珪素鋼板で出来た舌片が振動して音を出します

舌片と上下を挟む磁石の部分を拡大するとご覧のような形をしています。

中心の舌片(armature)の周囲を取りまくコイルに音声電流が流れると、珪素鋼板で出来た振動片が "N" "S" と交互に変化し、音声電流が音に変換されます。
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コイルを真横から見ると振動片部分の構造がよく分かります

振動片の部分を真横から見た写真です。

中心の armature は珪素鋼板で出来ていて、舌片を真ん中で保持するスチール線は ”半田付け” で固定されています。
予備品として販売されていた取り替え用のコイル

当時のコイルに使われた”エナメル線”はエナメル被膜の品質が悪く、湿気の高い日本では断線してしまうことも多かったのです。

このような予備品が修理用の部品として”ラジオ屋さん”で販売されていました。

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