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Z-20型 ナショナル国民受信機 |
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薄暗いダイアルはラジオの象徴! |
当時のパイロットランプはこのように大きな球でした。 |
バリコン
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豆コン
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先ず”豆コン”を回すと、”ピュー〜〜”と
笛を吹くような音がします。
この状態を”再生のかかった状態”と言います
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この状態でバリコンを回すと
近くの放送は大きな音でピュー〜〜と鳴りますし、遠くの放送は小さな音でピュー〜〜と鳴ります
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もう少し詳しく説明すると、再生のかかった状態で、選局ツマミを一定方向にゆっくり回していくと、
ピュー〜〜音が、高い音から低い音に変って行き、ついには低いうなり音になりますが、
更に同じ方向に選局ツマミを回して行くと、ピュ−音は低い音から高い音に変って行き、
次々と同じような状況を繰り返します。
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ラジオ放送を受信できる位置はこのピュー音の谷間にあります。
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選局ツマミを一定方向にゆっくり回しながら、中間くらいの大きさのピュー音を探し、
笛音の谷間に選局ダイアルを止め、
再生調節をゆっくり回していくと放送が徐々に大きく聞こえるようになり、
笛音の消えたところで再度選局ツマミを微調整すると、
そこが最も大きな音量で放送を受信できる位置です。
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一度受信できた局はダイアルに印を付けておくと次に聞くときの目安になります。
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回路を見ると分かる通り通常はコイルを通してプレートに電圧をかけるところを 抵抗とコンデンサで、直流の高圧を遮断しています。 この時期のラジオは故障が多かったのですが、故障原因の横綱に低周波トランスの断線があります。 通常の回路では巻き線に直流の高電圧がかかるので 日本のように湿気の多い国では吸湿したトランスの内部で電気分解が起こり、 巻き線の銅が解け出して断線してしまうのです。 このセットのような回路構成にすると、音量は若干低下しますが、格段に故障しにくくなります。 *
低周波トランス一次側の途中からタップを出して26Bの陰極に ネガティブフィードバックをかけています。 この時期のセットのスピーカは、ほとんどが”マグネチック”なので
硬い独特の音がしますが、ネガティブフィードバックによって 格段に音質が向上しています。 故障防止のために巻き線の直流を遮断したので、このような改善も可能になりました。 *
下の写真でご覧頂ける通り、電源トランスが”割りピン”で固定されてます。 組み立て工程の簡略化と部品代の節約を考えたのでしょう。 * これ以外にも随所に創意工夫のあとが見える素晴らしいセットです。 *
パワートランスを割りピンで止めたセットを見たのは |
* 混信対策 * このようなストレート受信機は、地元に放送局があると、混信のために遠方の放送を聞くのが たいへんに難しいことがあります * ラジオ少年は、”和歌山放送トラップ”をつないで、効果抜群です。