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増幅用の真空管は、最初は3極管だけでしたので、初期の高級ラジオは 3極真空管を3本使った4球式でした。 昭和5年ころ4極真空管、昭和7年頃に5極管が国産化されると今までの4球ラジオは ”並の4球ラジオ”に格下げされ、ピカピカの5極管を使った4球ラジオは 4球ペントード、”4ペン
”と呼ばれました。 ちなみに当時3極管が1円に対して5極管は発売当初7円もしました。
* 4M-1 型 ナショナル受信機 ”4ペン” * * * * * |
* 回路図 * ケースの底面には回路図が貼り付けられています。 * * この受信機の特徴は、アンテナの切り替えスイッチがついていることです。 このラジオのように同調回路が一つだけのものは、近くに放送局があると、 ダイアルをどこに回しても地元局が聞こえ、遠くの放送局を聞くのが大変に難しくなります。 * 工夫の一つとしてアンテナの感度切り替えが付いたのでしょう。 * * ***** 混信対策 はこちらをご覧下さい * |
再生式受信機で遠くの放送を聞く場合、 ”豆コン
”を調節することが重要です。 大抵の場合、”再生のツマミ”に目盛は無く、ぐるぐると何回でも回りますが、 中には小さな可変コンデンサ(これを豆コンと称します)が入っているので、 調整に必要な回転角度は180度です。 * 先ず”豆コン”を回すと、”ピュー〜〜”と 笛を吹くような音がします。 この状態を”再生のかかった状態”と言います * この状態でバリコンを回すと 近くの放送は大きな音でピュー〜〜と鳴りますし、遠くの放送は小さな音でピュー〜〜と鳴ります * もう少し詳しく説明すると、再生のかかった状態で、選局ツマミを一定方向にゆっくり回していくと、 ピュー〜〜音が、高い音から低い音に変って行き、ついには低いうなり音になりますが、 更に同じ方向に選局ツマミを回して行くと、ピュ−音は低い音から高い音に変って行き、 次々と同じような状況を繰り返します。 * ラジオ放送を受信できる位置はこのピュー音の谷間にあります。 * 選局ツマミを一定方向にゆっくり回しながら、中間くらいの大きさのピュー音を探し、 笛音の谷間に選局ダイアルを止め、 再生調節をゆっくり回していくと放送が徐々に大きく聞こえるようになり、 笛音の消えたところで再度選局ツマミを微調整すると、 そこが最も大きな音量で放送を受信できる位置です。 * 一度受信できた局はダイアルに印を付けておくと次に聞くときの目安になります。 *