Qメーター (横河電機製作所)
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オークションに横河電機のQメーターが出展されていましたので、少し無理をして落札しました。
荷物があまりにも重いので、体重計に乗せたら20kgありました。
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上部右側に測定するコイルとコンデンサの接続端子
左側は発振出力の取り出し口です。
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お話の発端はオークションに出ていた青いセラミックコンデンサでした。
耐圧500ボルトで容量は0.1μF
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以前にも数回落札して、ラジオの修理に重宝していましたので、先輩にお知らせしたところ、落札されました。
ところが!!!
”Qが低い不良品だった”とのご指摘がありましてびっくり。
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Qメーターが無いので同じく横河電機製作所製の容量計で測定しましたら次のような成績でした
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1,「針が全く振れない」もの少し
2,「少し振れる〜半分くらい振れる」もの多数
3,「90%くらい振れる」もの少し
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結論は全部Qの低いコンデンサだと言うことです。
測定周波数は100kHzですので、ラジオに使うのは問題がありそうでした。
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真空管式ラジオの故障箇所で一番多いのがコンデンサの絶縁不良です。
交換するのは沢山キープしているオイルコンデンサですが、スペースが無い小型のラジオはセラミックが便利です。
耐圧が500Vと高いこの青いセラミックコンデンサは便利に使っていたのですが、ショック!。
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タイミング良く上のQメーターが出品されたので、思い切って落札した次第です。
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到着した日に早速修理
先輩から
「Qメーターには高周波電流計が使われているが、熱電対電流計なので、断線していると修復不可」
と脅かされていましたので早速試してみましたが大丈夫で安心しました。
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真空熱電対
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四角いブロックがネジ止め
されていますが、これが
「真空熱電対」です
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高周波の通路は
芯線が
厚くて幅の広い銅帯
のシールで線
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さすが横河電機です。
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私事ですが、そのむかし
横河電機に
20数年勤めていまして
測定器は横河が一番!
なんです。
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発振出力指示計(熱電対電流計、Max750mA)
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Q指示計(レンジは 0-60、0-200、0-600)
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不具合は以下の通りで、その日のうちに動作させることが出来ました。
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1,電源コードの断線:補修にて完了
2,電源平滑回路の抵抗断線(7,5kΩ):交換にて完了
3,発振周波数切替ドラムの接触子が真っ黒:清掃にて完了
4,発振用真空管の疲労:本来は6AR5ですが良い物が無かったので6AQ5に交換してOK
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回路図と部品一覧俵が前蓋の裏側に添付されていたので大助かりでした。
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回路図の大きいサイズ必要な方はこちら
(200KB)
回路図で右上部分はオッシレータの安定化電源で、V1(6AR5)への印加電圧を変えて発振出力を一定に調節します。
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発振勢力は、熱電対電流計を通過し、特殊抵抗、0.025Ωに流されます。
0.025Ωの両端に現れる電圧を測定対象のL,Cに供給し、直列共振で”C"の両端に生じる電圧を真空管電圧計で測定するものです。
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検波用の真空管はソケットを使わず、足に直接ハンダ付けしています。
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又、交流ハムの防止のため、ヒーターは直流点火になっています。
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真空管電圧計の検波球
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なんと真空管電圧計部分の真空管は
ヒーターが直流点火
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トランジスタはNECの2SB107
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昭和36年当時、このパワートランジスタは
相当に高価だったと思います。
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発振周波数はコイルセットを巨大な回転ドラムで
切り替えて、レンジは8つ
1,50kHz〜120kHz
2,120kHz〜300kHz
3,300kHz〜800kHz
4,800kHz〜2000kHz
5,2MHz〜5MHz
6,5MHz〜12MHz
7,12MHz〜25MHz
8,25MHz〜50MHz |  |
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本体の全体は下ようなものです。
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左上が測定用の2連CV
右下が発振部の巨大なコイルドラム
中央のメーター後ろに並んだVRは表示校正用です
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ところで、コイルとコンデンサの測定なのですが、コイルはこのままで測定できますが
コンデンサは基準となるコイルが必要です。
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コイルが付属していたのかどうか分かりませんが、コンデンサ測定用にQの高いコイルを作る必要がありそうです。
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測定用バリコンの横には、
コイルのインダクタンスを測定するための
表示板があります。
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下のように、同調ダイアルにはLの
目盛りがありますので左側に表示された
周波数を発振し、同調点を見つけて
L の目盛りを読み、”MULT"の倍率を
掛ければ良いのだそうです。
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接続端子
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同調ダイアルにはコンデンサとコイルの目盛りがあります。
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