Topへ戻る
目次に戻る 


真空管の評価

真空管は ”生き物” のように寿命があり、使用中に限らず保管中でも特性は変化します。
保管中に劣化した性能は適正な条件で動作させることにより回復する場合もあります。
(古来有効とされるのはゲッターをアルコールランプで温める方法)

真空管の能力を測定する手段は多数ありますが、最も簡単に状態を推定する方法は
”エミッション” や ”GM (相互コンダクタンス)”を測定することです。

確認には大きく分けて3つの方法があります。

1、エミッションを調べる
最も簡単で、しかもかなり信頼性の高い方法です。

真空管の初期性能は、フィラメントやカソードなどの「陰極」から放射される電子の量が、経年変化で減少していくことで
徐々に少なくなっていきます。
長期間使い続けることで、陰極の性能が劣化することが多いですが、全く使わずに新品の状態で保管していても、管内の
電極などに残存するガスが出てきて真空度が低下し、「箱から出した新品なのにーーーー」なんてこともあります。

2、増幅率の測定
GMチェッカーで真空管の増幅率を測定するのが比較的確実な方法です。
データ一覧などに初期データが記載されていますので、測定値と比較します。

3、静特性&動特性の測定
(別途作成中)


真空管の簡易評価 ”エミッションチェッカー”
エミッションチェッカー

右の写真

真空管を挿入するソケット
壊れたような穴ですが、4本足(UX)から7本足(Ut)まで
一つのソケットでテストできる優れものなのです。
エミッションチェッカーのソケット

試験機の側面には、測定できる真空管の型名とヒーター電圧、指針の振れ具合
などが一覧で表示されています。



表示メータの詳細
真空管の良否は色分けで表現されます

エミッションチェッカーのメータ
  
 

真空管の能力を精密に測定するのはこのような
”GM測定機”です
真空管の性能が数値で表示されます。
*
GMチェッカーのメーター
 真空管の性能を測定する ”GMチェッカー”
GMチェッカー
 
先輩に新型のエミッションチェッカーを見せていただきました
(左の画像) メーターが角形になって高級感があふれています。

ソケットもGT管が二つ、MT管が二つと大幅に増強されています。
このような簡易型のエミッションチェッカーは、真空管の足の配置が同じであることが
前提なので、同種のソケットが二つ配置されているのです。
「M.AC」は6.3V〜のラジオ用ミニチュア管(フィラメントは3、4 ピン)
「M.DC」はポータブルラジオ用の電池管(フィラメントは1、7 ピン)です

下の型式一覧には記載されていませんが、当時の{ラジオ修理店}のおじさんには
ちゃんと解っていました。