???代替の真空管???
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インターネットのオークションで不思議なものを見つけて、落札しました。
形状は7ピンのミニチュア管と同じ大きさで、全部で4個ありますが、
表面は金色に綺麗に塗装されていて、それぞれ以下のように印字されています。
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「中間周波増幅ユニット JAM-427/U 旭電機工業株式会社」 3個
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「周波数弁別ユニット JTF-132/U 日本電気株式会社」 1個
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下の画像は
「中間周波増幅ユニット 」です
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真空管の製造が止まり、真空管を使った機械の保守が出来なくなって、様々の代替案が現れましたので、
このユニットもそのような種類の物だと思われました。
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中身を確かめるべく、ルーターで切断しましたら、なんと現れたのはサブミニアチュア管の5678 でした。
この球は1T4相当の高周波増幅管ですから、「中間周波増幅ユニット」は真空管の代替に作られたものではなくて
ポータブル仕様の無線機の部品として設計、製造されたもののようです。
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中間周波増幅ユニットの回路をたどったら以下のようなものでした

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中間周波トランスの共振周波数は4.2メガヘルツでした。
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フィラメントを定格の 1.2ボルトで点灯し、B+が90ボルトの時、消費電流は3mAほどでした。
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入力仕様が不明なので、どの程度のゲインがあるのかは不明ですが、増幅作用は確認できました。
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「周波数弁別ユニット」も切断してみましたら、真空管は無くて
ダイオードが2個とトランスが2個組み合わされた回路が現れました。
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周波数弁別ユニットの回路は以下のようなものでした。
下側のトランスの同調周波数は実測で4.2メガヘルツ
上側のトランスの同調周波数は、同じく50メガヘルツでした。
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どうやら50MHz帯のトランシーバかなにかの部品のようですが
よく分からないところもあります。
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情報提供をお願いしていましたら、
横浜旧軍無線通信資料館 の館長さんから
「米軍の野戦用VHFトランシーバーPRC-8〜10 に使用される、IF 及びDISCユニット
である旨、教えて頂きました。
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トランシーバーの本体と、これらのユニットが装着された中身の写真をお送りいただきました。
私メのH.Pで写真使用の許可をいただきましたので、ここで公開させていただきます。
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トランシーバー本体
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トランシーバーの全体
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ユニット装着部分の拡大
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以上、トランシーバ画像の本体は「
横浜旧軍無線通信資料館」 所蔵です。