只今製作中

1932年製造の「超高級ラジオ受信機」です。

当時、日本での主流は、再生検波方式の”ストレート受信機”でしたが、これは
スーパーヘテロダイン方式の、所謂”スーパーラジオ”です。
1932(昭和7年)頃の日本のラジオ広告

どこから手を付けるかは、をの時の気分次第ですが、今回は音量調節の
「ボリュームコントロール」から始めました

  この年代の音量調節などの可変抵抗器
”ボリューム”
 は、殆どの場合壊れているので、
先ず取り外して確認します。

このボリュームは、2個の可変抵抗器が
一つの容器に収納されて同時に動く
「2連ボリューム」です。
   予想通り、抵抗線が断線しています。

断線部分を繋ぎ合わせて修理する場合も
ありますが、今回はもう一つの可変抵抗体
もダメになっていたので、全体を交換
することにしました。
   
可変抵抗器は、回転角度と抵抗値の変化カーブに数種類あります。
音量調整用VRは、音が小さくなる所の抵抗変化が角度に対して小さくなる
「Aカーブ」です。

抵抗膜をスライドさせる方式では、膜の厚さで自由に抵抗値を変化させられますが
巻き線抵抗器では、このような形状にして、小さい音になったときの
調整を容易にしています。

回路図を見ていただくと分かりますが、この可変抵抗器には直流電流が流れるので
このような「巻き線抵抗器」になりました。
   巻き線抵抗の奥には、カーボン抵抗をスライドさせる
”ボリューム”があります。

本来の抵抗値は100kΩですが
測定すると10倍にもなっています。

この年代の”カーボン抵抗”は
抵抗皮膜が弱く
殆どの場合断線状態になっています。
   代替えに探し当てた「二重」VRです。
真空管式のテレビジョンが全盛の頃
沢山使われた製品です

カーボン被膜のVRですが、現在の製品は
被膜が強いので、少しくらいは電流を流しても大丈夫です。
  軸は2重で、別々に動くので、同時に
動くように、軸を固定します。

細い穴を貫通させて、固定して完成です。